つまりは和家具の修理
2017/05/18 Thu 18:19

先日、ある家具の修理をしました。
見積もりを取るために先方に伺い詳細を伺いましたが、形はヨーロッパの其れですが、
中身は和家具というものでした。
全体の生地調整と、立て付けを直しました。
何度か塗り重ねているようで、塗りが下手なのか、全体的に塗料が垂れています。
サンディングして磨く事にしました。
本体もあらゆる所が釘で止まっており、其れが錆びて膨らんで抜けない。。。
鏡のついたドレッシングチェストでしたが、鏡も曇ってしまい作り直す事に。
鏡を外すと、裏面から古新聞がでてきます。
これはお決まりですが、湿気取りなのか、隙間を埋めるためなのか?
必ず新聞と決まっていますね。
その新聞を見てびっくり。

明治35年!
115年前のものです。
あと2年で日露戦争に突入という年です。
本体の引き出しを抜いて中をのぞくと、当時の職人が書いたであろうスケッチが裏板に。
この家具はヨーロッパの家具の模倣をしていますが、厳然と和家具。和ダンスの其れです。
試行錯誤をしていた職人の努力が見て取れます。
ロシアに勝利し、列強の一員になった日本はその後、苦しい時代に突入して行きますが、
洋を取り込む懐を持っていました。
家具の修理ごときで大げさですが、なにくそ!と職人が言っているようです。
しかし実際、手がかりの無いところで此れを作るって凄いなと思いました。
アンティークショップ KUMUTO
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