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レディスデスクの修理

2013/08/14 Wed 12:10

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大分以前に仕入れた、レディスデスクの修理をしました。

まず、金具を全て外して、クリーニングします。



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これは本体の写真ですが、金具と天板を外し終わった状態です。

材はマホガニーで、総突き板張りの大変珍しいものです。

脚ですら、全て突き板を張り込んでいます。

無垢板が晒されているところは一切ないという、徹底したつくりです。



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これが天板になります。

象嵌細工が施してあります。

この天板が二枚あり、バタフライにて可動するようになっています。

天板他本体も、塗装の状態が良くなく、仕方なくサンディングして処理しました。



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家具の中には若干の収納があり、香水などを入れていたものと思われます。

写真は、中の間仕切りを外しているところです。

接着されていないので、簡単に外すことが出来ます。

修理履歴の少ない家具は接着剤が入っていないことが多く助かります。

逆に、何でもかんでも止めてしまうと、壊してしまうので外すのが大変です。



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収納の底板も外します。

釘止めなので、比較的簡単に外れます。

ここにも接着は入っていません。

Rが取れているのは、その後のメンテナンスには大変助かる工夫です。

表面が綺麗に仕上がったマホガニーの3~4mm程度の薄板を入れていきます。

接ぎのない一枚モノです。



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工場の温度も34度。

このあと36度まで上がりました。

目眩がしそうです。



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底板を釘で留めなおしました。

馬鹿になっている箇所も調整しました。

底板が上下にカタカタと動くので、後から数箇所クサビを入れました。



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バタフライの天板をあけると中にある、もう一つの天板です。

金具を外してあるので、作業がしやすい。

サンディングしたところです。

いいところの材料を使っていますね。



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先に金具を取り付け、WAXで仕上げました。

今回は染色も使わず、生地にWAXだけで仕上げていますので、

ギラギラしておらず、落ち着いた感じです。


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兆番も付け直しました。

どうやら金物は金塗装をしていたようです。

ビス頭にも塗ってあるので、見えるところはそれを使います。




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これは中に納まるレターケースです。

初めて曲線が出てきました。





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このレターケースはバタフライの天板と真鍮金物のアームで連動しており、

天板をあけると同時に、ポップアップでせり上がってきます。

その土台となるものと固定しています。

釘も何も無くクランプも効かないので、糊付けしたあと、ずれないように紐で固定しておきます。




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脚も突き板なので、当然はがれている箇所もありました。

戻せるところは戻しました。

剥がれてしまった所は、残念ながら同厚の突き板が無かったので、パテ埋めにして処理しました。

以前修理した箇所を見ると、そこいら中に赤いパテを埋めています。




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ポップアップ連動用のアームも、磨き直して取り付けます。




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さて、取り付けるパーツをWAXで磨き取り付け準備完了です。



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このように仕上がりました。



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天板を跳ね上げると、このようなミラーが現れます。



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鏡は写真のような歪みがあり、古いものと一目で分かります。

前述しましたとおり、あらゆる箇所をマホガニのベニアで仕上げています。

良い材料を選別し、惜しみなく使えた時代のもので、今世紀の量産品とは明らかに違うものです。



アンティークショップ KUMUTO
東京都稲城市矢野口480-1
金曜・土曜のみOPEN
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TEL:0422-72-2188(休みのこともありますので、ご確認ください。)
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